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BUSINESS

新型コロナウイルスと生きるサムライたち

by サムライインキュベート |2021年02月23日

ベンチャーキャピタルとして、また、その初期段階にある会社をサポートする組織として、画期的な進歩を遂げたミーティング方法や生活変革の手法の提案は、私たちの日常茶飯事にあたる業務です。しかし、全世界的なパンデミックが放たれてしまった今、そういった方法論が、今すぐにでも成果を上げて行く事が求められています。そうやって皆さんの活動の幅を広め、より革新的な変革を皆さんが作り上げて行くこと、少なくともその変革そのものを皆さんの身近に感じてもらう事は、とても大切な事だと私たちは考えています。


いま、どのように変革の時を世界は迎えているのか、今日は私たち「サムライ視点」から、お話ししていきましょう。


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新型コロナウィルス対応プログラム

まず何よりも認識していただきたいのは、我々が、このような時代においても変わらずアクティブなベンチャーキャピタル集団だということです。ですから、私たちが最も重要視する視点は、問題解決に向けたエコシステム、すなわち、収益活動の最大化を目的とする活動です。


全世界が直面しているこの新型コロナ問題を考えると、起業家の皆さんにとっては、様々な社会的行動を再考すべきフェイズに入ってきたと言えるのではないでしょうか。この過程で、成長する企業もあれば、消えて行かざるを得ない企業も出てきます。このような状況に立ち向かえるエコシステム、即ち収益最大化活動とは、1年365日毎日の活動を、世界規模の多国籍大企業と共に変えていく事、そして新型コロナウィルス後の世界に向けて、様々な活動を行っていく事しかないと言えるでしょう。


私たちのこのプログラムは、こういった成熟したイスラエルのスタートアップを探し出し、国際社会での成功に向けて、その事業を加速させる事にあります。その加速をもたらすのが、マイクロソフトやSOMPO(注1)といった企業パートナーですね。このプランは、未曾有の危機にあるこの状況で、各企業をサポートすると同時に、成長に向けての緒を探っていこうとするものなのです。


新型コロナに向けたもう一つのプログラムが、イスラエル版ITS、すなわち「高度道路交通システム」協会の活動です。この協会はNPO団体として活動しており、安全で、かつ環境破壊を引き起こさない、効率的な交通システムを推進する団体です。


この活動の目的の一つには、この新型コロナの状況下で、交通機関や社会インフラの様々な問題に打ち勝てる、そんな技術を持つイスラエルの起業家、スタートアップを見つけ出す事にあります。既に、5社のスタートアップが選ばれており、2020年11月にかけて、このプログラムへの参加を行いました。このプログラムは、テルアビブ市、ハ=ポアリーム銀行、アヤロン高速道路などといったイスラエルの関連団体のサポートを受けています(注2)。


また、Startup Nation Central、Ctech、Next、そしてAFP News Agencyといったイスラエル企業によって設立された組織によって、優れた、そして革新的な、新型コロナに打ち勝つための、そしてパンデミックと共に生きて行くための技術を持つ起業家たちを支援して行くシステムも、様々な国家規模、各地方自治体レベル、保健機関、そしてビジネスのレベルで既に始まっているのです(注3)。


距離を取りつつ、密接に。

さてもう一つは、ビジネス環境の問題でしょう。コワーキングスペースのような共同事務所を使っている企業にとって、安全のための日常での距離の取り方は非常に重要です。このソーシャルディスタンスの時代、一つの場所で、どうやって一緒に働いていけばいいのでしょうか


この新型コロナの状況は、都市部のオフィスに様々な課題を投げかけました。換気制御、作業環境のトラッキング、そして三密のコントロールなどが、非常に重要な課題となってきたのです。イスラエル・エコシステムは、その分野に正面からチャレンジしました。スタートアップの直面する問題とは、いかに人との物理的距離を保ちながら、精神的距離を縮める事ができるか、という面にあります。この場合、無論キーとなるのは、様々なコンテンツ、イベント、そして日常業務へのデジタルアクセス環境です。デジタルがなければ実現不能な問題にどう対処するか、それが大きな課題でした(注4)。



このパンデミックは、ビジネスでのリモート会議に影響を及ぼしただけではありません。私たちの周りの物理的な空間にも、大きな問題を投げかけました。物理的な1ヶ所のオフィス、という仕事環境に対しては、ソーシャルディスタンスをキープする机と椅子の配置として、いくつかの異なる解決策があります(注5)。例えば、お互いに近づき過ぎると警告を発するシステムなどですね(注6)。そして最終的には、ソーシャルディスタンスを保つためのスケジュール管理の方法、そしてお互いに隔離可能な「カプセル」システムの導入へと進んでいくのでしょう。


例えばAmazonの例です。彼らは、AI(人工知能)とそこに付帯する機器を通じて、AR(仮想現実)上で安全な距離を確認できるシステムを独自に開発しました(注7)。三密を避けるため、一人一人の物理的な場所は常にモニターされ、マッピングされ、「問題領域」になる前に回避されていくのです。Googleも、同様に独自のARモバイル機器を開発しました(注8)。これによって自らの周囲を自動的に監視、2m以下に距離が縮まった場合、画面上でそのことを知らせるシステムです。



デジタル技術と共に生きる人類

日本とイスラエル、両国にまたがった企業として、オンラインでのコミュニケーションは私たちにとって普通の環境でした。しかし、実際のフィジカルな体験までをもデジタル化させてしまう昨今の技術進化には、私たちも目を見張るものがあります。


新型コロナウィルスの影響は、ビジネスや会社環境だけでなく、私たちの経験そのものまでデジタル化しようとしています。私たちの生活は徐々に(いや、もしかすると急速に)デジタル化への移行を余儀なくされているのです。それは、オンラインでの会議ばかりではありません。オンラインでのデート、オンラインでのディナー、そしてオンラインでの飲み会にまで広がっています。故人へのお悔やみ、飲み会、旅行、そしてビジネス上の会議など、それが元々どんなにデジタル化の概念から外れた行為であろうと、デジタル化の波は避けようのないところまで来ています(注9)。


 こういった「デジタルによる経験の再構築」とも言える現象は、パンデミックが去った後も我々の間に残って行くものなのでしょうか?ビジネス、教育、そして様々なレジャー活動に至るまで、デジタル化の波は急速に訪れており、数年のうちに世界を変えようとしています。しかし、そこにこそ成長の萌芽があると私たちは信じています。現に、私たちはこの経験を通じて、オンラインの様々な活動を普通にこなすようになっているではないですか。無論、いやいやそれを受け入れた人々もいました。しかし、私たちの経験すべてをデジタル化するその日に向けて、今日も様々な新たな技術が芽生え、日々融合し始めているのです(注10)。


次に来るものとは?

新型コロナウィルスは、遠隔医療や教育分野、5Gの普及や交通機関の改革まで、まさに生活を根底から変える様々な変化をもたらしました。


そういった変化は、私たちの中に確実に浸透して行くことでしょう。そして、そこから最良のものが将来に渡って生き残って行くのです。


サムライVCは、投資に見合う新たな起業家の皆さんを、様々な分野で今日も求めています。



  1. https://www.geektime.co.il/365x-post-covid19-program/
  2. https://www.calcalistech.com/ctech/articles/0,7340,L-3840836,00.html
  3. https://www.calcalistech.com/ctech/articles/0,7340,L-3838271,00.html
  4. https://www.calcalistech.com/ctech/articles/0,7340,L-3825036,00.html
  5. https://www.geektime.co.il/co-working-after-covid-19/
  6. https://www.geektime.co.il/co-working-after-covid-19/
  7. https://www.geektime.co.il/amazon-distance-assistant/
  8. https://www.geektime.co.il/google-social-distancing-tool-sodar/
  9. https://partner.sciencenorway.no/bi-crisis-technology/life-after-corona-and-the-rapid-digitisation-of-human-experiences/1672620
  10. https://partner.sciencenorway.no/bi-crisis-technology/life-after-corona-and-the-rapid-digitisation-of-human-experiences/1672620
  11. https://www.scmp.com/comment/opinion/article/3077414/coronavirus-tech-will-continue-improve-our-lives-long-after