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BUSINESS

日本市場にも参入、クラウド型総合テスト管理ツールのPractiTest (プラクティテスト) とは

by ナボン 恵子 |2020年08月20日

インタビュー|PractiTest ファウンダー、ジョエル・モンベリスキー氏


今回は、2008年にイスラエルで創業した、クラウド型総合テスト管理ツールの「PractiTest (プラクティテスト) 」のイスラエル本社を訪問し、ファウンダーでチーフ・ソリューション・アーキテクトのJoel Montvelisky (ジョエル・モンベリスキー) 氏にインタビューを実施いたしました。創業のきっかけや、今後のソフトウェア開発におけるテスト管理市場の展望など、大変興味深いお話を伺うことができましたので、皆様にご紹介いたします!


―――PractiTestの創業のきっかけは何ですか?


ジョエル・モンベリスキー氏(以下:ジョエル氏):PractiTestは、私を含めた3人のファウンダーで創設されました。もともと私たちは、ある企業のR&D部門で働く同僚でした。そしてそれぞれ別の企業に転職した後、7年の歳月を経て再会する機会があったのです。その時に共鳴したが、ソフトウェアのテスト管理をマーケットとして見た時、大きなギャップが存在することでした。当時は大手企業向けのテスト管理プラットフォームは存在しましたが、一方でExcelで作業をしている企業も多くありました。2-3人でテスト管理をするのであればExcelでも可能ですが、10人ほどいるチームであれば、Excelは役に立つツールとは言い難く、むしろ障害となっている可能性があります。


私たちが求めたのは、膨大な情報を整理し、テスト結果を効率的に管理、関連部署とのスムーズな共有、外部ツールとの連携を充実させることでした。テスト管理が複雑化するにつれ、テストをオーケストラ (協調) させるプラットフォームが必要であると考えたのです。



―――競合が多く存在する中、PractiTestはどのように市場に参入し、発展してきましたか?


ジョエル氏:10年前、ほとんどのテスト管理はウォーターフォール型 (開発を各工程に分けて進める手法) または、アジャイル型 (開発を短期間で反復増加で進める手法) でした。マーケットは常に変化しています。変化しているひとつは技術で、もうひとつは方法論 (やり方) です。PractiTestにおいて大切にしていることは、常に組織の働き方の変化に基づいて改善を続けていることです。「Best idea for tomorrow」を念頭に、新しいアイデアを得ることを常に心がけています。そして何より、お客様の声を最優先にし、マーケットが何を望んでいるのか、「声」の源に頻繁に耳を傾けます。


―――PractiTestのプラットフォームは、どのような特徴があるのでしょうか?


ジョエル氏:弊社のプラットフォームは、テストの計画から実施までリアルタイムにコントロールが可能で、とても直観的です。全てのテストプロセスを可視化できるダッシュボードが提供される為、担当部署ごとに応じて、必要な情報をカスタムレポートすることが可能です。テスト作成においては、スクリプト型 (事前にテストケースを全て準備する方式) だけでなく、探索型 (前のテスト項目の結果を踏まえて次にやるテスト項目を考える方式) での作成・実行に対応しています。PractiTestのプラットフォームは、柔軟なテストが可能であり、テスト効率を向上させます。またJenkins、Selenium、JIRA Software、Slack、Azure DevOpsなど、連携可能な外部サービスが豊富なことも魅力のひとつです。


また自動テストを手動テストプロセスに統合することも重要としています。そのため、市場におけるあらゆるツールから自動化ツールに統合するための最善策を用意しています。



―――日本市場に参入を決めたのはなぜですか?また、世界中にマーケットを拡大する中、特に日本市場での難しさはありますか?


ジョエル氏:日本は、旧来からExcelによるテスト管理が王道でした。しかしExcelには限界があり、複数のExcelシートにわたって報告書を作成するのが困難であったり、本来のテスト管理担当者の目的であるテストに集中できない、という弊害が発生すると指摘されます。日本は大変な技術国でありながら、その行程管理は依然として古い体質でした。また開発を外部に複数委託する習慣もあり、まさにオーケストラ (協調) する必要があるのです。より能率よく、一元的なテスト管理を提案するために、日本市場への参入を決めました。他のマーケットに比べ、翻訳のニーズや、現地でのパートナー企業の必要性、カンファレンス出展の重要性など様々な違いがあります。2020年はパンデミックの影響もあり、来日が果たされていませんが、特に日本では直接クライアントに会うことも非常に大切であると感じます。


左からジョエル・モンベリスキー氏、PractiTest CEO Yaniv Iny氏、楽天株式会社 藤原史和氏、辰巳敬三氏、株式会社ヒューマンクレスト 浅黄友隆氏

―――チーフ・ソリューション・アーキテクトとして、テスト管理の市場は今後どのような変化があると思いますか?


ジョエル氏:テスト管理は、従来テスト担当者のみが行うものでした。しかし現在では、開発者もテスト管理に関わり、社内の様々な部署が携わります。またテスト管理期間も随分と短くなり、商品を早く市場にリリースする必要があります。テスト管理はますます効率的である必要があり、品質を確実に保証するために綿密で、詳細でなければなりません。テスト管理は、もはや開発の責任を負うためのものではなく、より品質保証を確実なものとする為の行程という認識が浸透するでしょう。


―――最後に、「ニューノーマル」はビジネスにどのように影響しましたか?サービスに対する需要に変化はありましたか?


ジョエル氏:パンデミックの影響で、企業のプロジェクトが縮小、停滞するなど様々な変化が起こっている中、テスト管理の担当者は解決策を探しています。例えば日本では、クラウドでの管理を安全面から敬遠する傾向がありました。しかし、ニューノーマルではクラウドにおけるセキュリティに関心が向き、受け入れられるようになりました。PractiTestは、業界で最も厳しいセキュリティ規準をクリアし、多くの機関から認証を受けています。このセキュリティスタンダードの高さは、クラウド型の総合テスト管理プラットフォームとして重要で、また評価されている点でもあります。ニューノーマルのもと、開発を外部に委託することが更に顕著になる中、PractiTestはプロアクティブにお客様のニーズを汲み取り、さらに成長を続けています。


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